年代について |
相対年代 |
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相互の新旧関係で決める年代。
おもに、地層がつみかさなっている順番を手がかりにして、くみたてる方法である。
すなわち、考古学の場合は遺物・遺構・遺跡の型式から型式学によって変遷の状況をつかみ、層位学によって新旧関係を検証するもので、両者を総合して相互の新旧を決めるものである。
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絶対年代 |
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発掘物の時代を自然科学的な方法でもとめた年代で、数字として出される年代。
数値年代(numerical age)ともいう。
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暦年代 |
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暦年とは、暦における1年の区切りをいう。
暦年で示される年代を一般に、実年代という。
放射性炭素年代測定の結果と年輪年代測定の結果との対応表が作られており、放射性炭素年代測定による年代を年輪年代測定との照合で較正した年代を暦年(暦年代)と呼んでいる。
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理化学的年代 |
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自然科学的方法による年代。
考古資料が物質としてもっている物理的・化学的な属性を分析することで得られる年代のこと。
以下の種類がある。
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炭素14年代 |
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大気中の炭素14濃度が変化しないと仮定して算出した年代を伝統的に「炭素14年代」と呼ぶ。
具体的には炭素14の半減期を5568年(実際には5730年)とし、同位体効果を補正した炭素14濃度から算出した年数を、西暦1950年を起点にさかのぼって示したモデル年代である。
単位を「BP」などで表し、誤差を1標準偏差で示す。
放射性炭素年代、14C年代、炭素年代という用語も用いられる。
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各種の絶対年代測定法 |
放射年代測定法 (ほうしゃねんだいそくてい、Radiometric dating) |
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炭素14法 |
半減期約5,730年の炭素14を使用する方法。
地層の中から産出した貝殻、埋れ木、木炭、泥炭などの有機物を対象として測定され、年代の特定には他の手法を併用した総合的な分析が行われる。
±50年くらいの精度である。
C14法 (ベータ線計測法)
AMS法 (加速器質量分析法 Accelerator Mass Spectrometry)
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ヨウ素129法 |
ウランの放射壊変や宇宙線等、自然から供給される半減期1570万年であるヨウ素129とヨウ素127の存在度比を利用する方法。
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その他の特定の放射性核種の崩壊を利用する方法 |
カリウム - アルゴン法
アルゴン - アルゴン法
ウラン - 鉛法
ルビジウム - ストロンチウム法 (Rb-Sr)
ヘリウム−ヘリウム法 (He-He)
ヨウ素−キセノン法 (I-Xe)
ランタン−バリウム法 (La-Ba)
鉛−鉛法 (Pb-Pb)
ルテチウム−ハフニウム法 (Lu-Hf)
ネオン−ネオン法 (Ne-Ne)
レニウム−オスミニウム法 (Re-Os)
サマリウム−ネオジム法 (Sm-Nd)
ウラン-鉛-ヘリウム法 (U-Pb-He)
ウラン-トリウム法 (U-Th)
ウラン−ウラン法 (U-U)
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化学反応現象を反映した年代測定法 (自然放射線による固体物質内の損傷を利用する方法) |
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放射線の照射によってできたフリーラジカルをはかる方法。
試料がウランなどによる放射線によって生じる損傷などの割合が年代の関数であることを利用した各種の年代測定法。
放射線による損傷は熱によって回復することが知られている。
したがってこれらの方法における年代の出発点は、特定の温度(リセット温度という)よりも冷えた時点、または固体化・結晶化した時点となる。
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フィッショントラック法(FT法) |
堆積物中のジルコンにふくまれるウラン238が自然核分裂するときに出る放射線の傷跡(フィッショントラック)で年代を測定する。
火山灰や黒曜石などの年代を測るのに好適である。
焼土や焼石の測定にも応用可能である。
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熱ルミネッセンス法(TL法) |
鉱物をある温度以上に加熱すると、それまでに受けた放射線量に比例して光を放つ「熱ルミネセンス現象」を利用する方法である。
天然の放射線量が年代に寄らず一定ならば、熱ルミネセンスの測定によって最後に加熱されてからの経過時間が求められる。
そのため土器類の焼成や焼土の形成が行われた時期を測定することができる。
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電子スピン共鳴法(ESR法) |
分光法の一つである電子スピン共鳴を利用した年代測定。天然の放射線によってたくわえられたフリーラジカルの量をはかるもので、貝殻などの数十万年前の年代測定ができる。
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年輪・年縞年代測定法 |
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年輪年代法 |
詳細は、「年輪年代法」へ
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氷縞年代法 |
氷縞とは、氷河がとけるときに湖などの底に堆積した粘土と砂の層であり、1年ごとに縞(しま)ができている。
この縞をかぞえると、更新世の氷河による堆積物の年代をはかることができる。
この縞模様は、気候の変化によって厚くなったり、うすくなったりする。このことを利用して氷河が後退した年代を知ることができる。
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各種の相対年代測定法 |
古地磁気年代測定法 |
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地磁気が年代により変化することを利用し、鉱物に残る磁気(古地磁気)の強さや方向から年代を特定する。
磁気を帯びた現地の焼土や地層の年代測定に用いられる。
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火山灰年代 |
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テラフとは
火山灰・軽石・スコリア・火砕流堆積物・火砕サージ堆積物などの総称。
火山砕屑物とほぼ同義であるが、ある程度広く分布するものに用いられることが多い。狭義には降下したものを指す。
広域テフラ
特に大規模な噴火が起こった場合、日本全国を覆うほどの規模で火山灰〜軽石が降下し堆積する。このような降下テフラを広域テフラという。
広域テフラは1回の噴火で形成されるため、地質年代の基準として重要である。
日本上空では偏西風が吹いているため、広域テフラは噴出源から東に分布する傾向がある。
広域テフラを形成する噴火
陥没カルデラを形成する大噴火
カルデラ周辺に広く火砕流堆積物が形成されると同時に、細粒物質が上空に吹き上げられ広い範囲に降り積もる。
大規模なプリニー式噴火
カルデラを形成しない場合であっても、噴出物の量が多く上空まで吹き上げられると、偏西風に運ばれて広い範囲に降り積もる。
火砕流を伴わないこともある。
日本の代表的な広域テフラ
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テフラ略号(通名) |
テフラ名 |
日本語表現 |
暦年代 |
B-Tm |
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白頭山−苫小牧 |
10世紀前半 |
K-Ah |
Kikai-Akahoya |
鬼界アカホヤ火山灰 |
7300年前 |
UG |
Asama-Hirahara |
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15900年前 |
AT |
Aira-Tanzawa |
姶良丹沢火山灰 |
28000年前 |
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支笏第1 |
40000年前 |
DKP |
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大山倉吉軽石 |
50000年前 |
Hk-TP |
Hakone-Tokyo |
東京パミス |
52000年前 |
Aso-4 |
Aso-4 |
阿蘇4[04.3.5追加] |
87000年前 |
Pm-1 |
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御岳第1 |
10万年前 |
Ata |
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阿多カルデラ |
10万年前 |
Toya |
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洞爺カルデラ |
11万年前 |
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参考資料 |
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